【いきもの観察記】ヒメリュウキンカは毒で身を守る。

今日の【いきもの観察記】は植物編!綺麗な見た目なのに、実は強烈な毒をもっているという花「ヒメリュウキンカ」について話します。
「美しいものには毒がある」という法則は自然界共通のことなんだと思い知らされました。アサギマダラやカバマダラが体内に毒を持っていたり、有毒のジャコウアゲハに似せてアゲハモドキは生き残ったり、生き物において「毒」というのは重要な役割を担っているんだなーと学びました。
ヒメリュウキンカとは?
ヒメリュウキンカはキンポウゲ科の多年草。ヨーロッパや北アフリカ、西アジアが原産地であり、日本には観賞用として渡来してきました。
濃い黄色がとても綺麗で「いよいよ春がそこまで来ているなー」と思わせてくれる花です。中心付近は少し彩度が落ちたくすんだ黄色になっていてオシャレ。花全体で見ても花びら単体で見ても、まるっと柔らかく明るい雰囲気を感じます。
ここだけ聞けばヒメリュウキンカは綺麗な花認定を受けて終了。しかしそうはいかないのがこの花の興味深いところです。
毒・プロトアネモニン
すごく綺麗なヒメリュウキンカ、実は「プロトアネモニン」という毒を蓄えています。キンポウゲ科の植物に広く含まれる毒性成分の一種です。“アネモニン”という名前からも想像できるようにアネモネももっている毒で、かなり危険な作用を引き起こします。
葉や茎を千切った時に溢れ出る液にプロトアネモニンが含まれており、皮膚に触れると赤くかぶれるといった症状が出るようです。
この作用、ヒメリュウキンカの立場で考えると草食動物に食べられないようにするための防御機能という考え方もできます。その証拠にプロトアネモニンは強烈な苦みや刺激的な味がするようで、多くの生き物は食べてはいけないことが分かっているようです。葉っぱには虫食いの跡も全くありませんでした。
昆虫にとっての「毒」
毒を持っているのは植物だけではなく、昆虫も同じです。チャドクガやイラガ、スズメバチはもちろん、美しい蝶の中にも毒を含む子たちが結構います。
体内に毒をキープする蝶
例えばアサギマダラやカバマダラは幼虫の頃から体内に毒を運び込み、成虫になっても体内にその毒をキープし続けます。幼虫時代に「アルカロイド」という毒性成分を含む葉っぱを食べているためです。
またアサギマダラが成虫になって吸蜜する「フジバカマ」にも「ピロリジジンアルカロイド」という毒があります。成虫になっても毒性成分を摂取することで抜かりなく天敵対策をしているようです。(あくまでフジバカマの蜜に毒があるだけと思われるので、人への影響はないと考えています。)
こう考えるとアサギマダラやカバマダラは幼虫時代から、ド派手で「食べるな!危険!」な雰囲気を醸し出しているような気がします。これなら鳥やカマキリなどの天敵も食べないでしょう!食べたら絶対に不味い模様と色をしています。
そんな蝶に擬態する虫たち
その一方で、毒をもっていない蝶もいます。そんな蝶はどのような天敵対策をしているのか。その1つとして「擬態」という技があげられます。
ツマグロヒョウモンのメスの前翅の先端が青黒ベースに白いラインというデザインになっているのは、カバマダラに擬態しているからと考えられています。アゲハモドキという蛾はジャコウアゲハ(毒もち)に擬態して天敵対策をとっています。
体内に毒性成分を取り込むことができない蝶は、毒をもつ蝶に擬態することで天敵を騙しているようです。
こんなことを自然にできてしまう昆虫や植物、やっぱりすごい。
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