【実録・完全変態】アゲハチョウの羽化の前兆とは?日数と見た目の変化から解説!

アゲハチョウの羽化は神秘的で美しくとても感動的。自然が創り出した生命のエネルギーのすごさに圧倒されます。しかしアゲハチョウが羽化する瞬間、特に蛹の殻を破って出てくる時間はわずか5~10分程度。幼虫から飼育していてもその瞬間に立ち会うのは中々難しいです。

実際に私も2025年5月24日にアゲハ1号の羽化を見届けましたが、気づいた時にはもうハネを伸ばす段階でした(笑)人生で初めて育てたアゲハ1号くんが蛹から出る瞬間を見逃してしまったのです。無事に羽化してくれただけでも嬉しいのですが、やっぱり幼虫から育てた子の羽化は見届けたいです。

僕の羽化みてほしかった…😢

そこで今回は、羽化する瞬間を生で観察したい、映像に収めたい、お子さんに羽化の瞬間を見せたいと思っている方々がきちんと羽化を最初から見れるように、アゲハチョウ羽化開始の前兆を現在分かっている範囲でまとめてみます。

・蛹が羽化するまでの日数
・蛹の変化

以上2点から羽化開始の前兆について話します。

目次

蛹が羽化するまでの日数

アゲハ1号は蛹になってから「9日目」に羽化しました。1週間~10日の間に羽化することが多いという情報を聞いていたので、蛹になって1週間後から気にして様子を見ていましたが、見た目にわかる変化は羽化当日の朝になってようやく現れました。

5月に羽化を迎えるアゲハチョウは大体同じ期間で羽化すると思うので、ぜひ参考にしてください。

蛹の変化

アゲハチョウの蛹は羽化が近づくと殻の中が透けて見えるという特徴があります。これは蝶全体にも当てはまる現象で、特にハネの色・目・胴体がよく見えるようになります。

アゲハ1号のケースを写真で見てみます。

・4時間前:ハネが完全に透けて見える。全体的に色が薄く、特に胴体の横の黒いラインはまだハッキリしていない。

・3時間前:ハネの透け具合が濃くなる。全体的を見ても色が濃くなっていることが分かる。特に目の部分(蛹上部にある角)の色が黒っぽくなってきたことが分かる。

・2時間前:ここまでくると今までとの変化は分かりにくくなる。強いて言うならば、胴体の横の黒いラインがハッキリ主張するようになったことくらい。

正直3時間前の状態まできてしまうと、いつ羽化してもおかしくないと思います。映像を撮る方は撮り始めて良いタイミングです。撮らなくても観察だけしたいという方は、常に視界の入る場所へ置くか、10分に1回見てみるなど対策をしてみてください。

本当は1時間前、30分前、10分前も載せたいのですが、撮り忘れてしまいました。アゲハ2号3号の時はバッチリ撮るのでその時の楽しみにしておいてください(笑)

アゲハチョウの幼虫、実は神様!?

最後に1つ、アゲハチョウの幼虫が日本の歴史に登場する件について話そうと思います。

時は7世紀、当時の日本人はアゲハチョウの幼虫を「常世の神」として祀っていたらしい。アゲハチョウの幼虫を祀ると長寿や富を与えられると信じられていたそうです。

「常世」というのは永久に変わらないことを意味し、古代において海のかなたにあると考えられていた死者の国・不老不死の国を「常世の国」と言います。そこでアゲハチョウの幼虫は常世の国からやって来た、長寿や富を象徴する神様として崇められることになりました。

僕が神様…!?何かの間違いじゃないの…?

それが間違いではないんです。日本書紀に644年7月、大生部多(おおふべのおう)という人物により虫を崇拝する新興宗教ブームが巻き起こったという事件が記されています。結果、色々あって大生部多は太秦という人物に打ち負かされてしまい、常世の神信仰は終焉を迎えることになりました。

詳しいことはtenki.jpさんのサイトに載っているのでそちらを見てください。

おそらく完全変態の過程に「生命の蘇り」のようなものを感じたのでしょう。私も当時の日本人の気持ちがなんとなく分かります。だって「蛹になったら1度中身をドロドロに溶かして成虫の体を作る」なんて明らかにおかしいからです!(笑)どうしたらイモムシがスタイリッシュな蛹になって、最終的には超綺麗なハネをもった蝶になるのか、理解できません。絶対に地球外生物です(笑)

私ですらこう思うのですから、昔の日本人がイモムシが蝶になる様子を見てこの世の生き物と思えるはずがありません。常世の神として崇めたくなる気持ちが分かります。

虫を神として祀るということは人間の生活が今より自然と近かったということ、自然の中に人間の生活があったということを意味していると思います。神として祀ることはしなくても、人間の生活は自然ありきで成り立っているということを意識しても良いのかなーなんて考えたりもします。

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