【実録・完全変態】糞飛ばしアゲハくん。

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うんちとぶつかったら幼虫は…

アゲハチョウの幼虫を飼育していて1つ面白い行動を発見しました。

なんと幼虫くんが自分のうんちを口で咥えてポイッと捨てるんです。わざわざどけなくても避けて通れば済む話なのに、なぜ邪魔にならないような場所に捨てるのか…。時には積極的にうんちがある場所へ向かい、せっせと糞飛ばし作業をしていることもあります。ものすごく不思議な行動です。

またさらに不思議なのが手ではなく口を使って捨てるということ。もしかしたら手で持ってどかす幼虫もいるのかもしれませんが、今回飼育したアゲハチョウの幼虫は3匹とも口でポイッとしました。口だとダイレクトに糞の味を感じることになると思うけど…どうなのかな?と疑問です(笑)幼虫にとっては臭くないのか、手より口の方が飛ばしやすいのか。

正確な理由はよく分からないけど、自分の糞を口で咥えて吹っ飛ばす姿はとにかく面白くて可愛いので何でもOKです!(笑)

糞飛ばしの合理的なメリット

蝶の幼虫がうんちを飛ばす行動、実はめちゃくちゃ合理的なことなのかもしれません。飼育されていない野生の幼虫が育つ環境を考えると「それは糞飛ばすよなぁ」と納得できる理由がありました。

1つ目は天敵対策。蝶の幼虫が無事に成虫になるためには、鳥やカマキリなどからの捕食、ハエやハチなどの寄生から逃れないといけません。そこで糞は天敵に居場所を知られる要因の1つになるはずです。自然の中で生きていたら、葉っぱの上にある糞をそこそこの距離飛ばせたら地面に落ちます。自ら敵に居場所を知らせていては生き残っていけないので、あえて自分の糞に近づいて下に落として痕跡を消しているんだと思います。

次に2つ目は肥料になること。人間目線で糞飛ばしがもたらすメリットを考えてみると、これしかない!と思いました。葉っぱしか食べていない幼虫の糞には悪いものは含まれていないはず。糞を飛ばしてポイッと下に落としてくれたら、そのまま土に還って良い肥料になると思います。

あくまで推測の域を出ませんが、確実なのは幼虫の糞飛ばしは決して無駄な行動ではないということ。さらに私たちも楽しませてもらっているのでこれからも「糞を飛ばして自分の痕跡を消す」という本能を持ち続けてほしいなぁと思います(笑)

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