【ツマグロヒョウモンの幼虫】いよいよ羽化!前兆とその瞬間について。

おはようございます。いきものキュンキュン隊です。
今回はいよいよ「ツマグロヒョウモンの幼虫が羽化した瞬間」のことについて話します。
人生で初めて見届けた蝶の羽化。1年経った今でも鮮明に覚えています。無事に羽を伸ばして飛んでくれるまで見届けた一部始終をここに記録しておこうと思います。
羽化の前兆
羽化の前兆については以前、他の記事にまとめたのでそちらを見てもらえればと思います。

上記記事以外の前兆というと、蛹が動く回数が頻繁になることくらいです。
羽化まで1時間~30分前になると、5分観察していれば必ず動く瞬間を見ることができるほど。
蛹の中の羽も目も透けて見えている状態になっていたら、隙あらば観察する意気込みで見てみてください♪
どうやって蛹から出てくるの?

そしていよいよ羽化本番。ツマグロヒョウモンは画像のように、トゲトゲの反対部分をパカッと開けて出てきます。
つまり「頭が下の状態、逆さまの状態」で羽化します(笑)全く予想していなかった羽化方法でビックリ。蛹が垂れ下がる形、羽と目が透けた時の位置関係でなんとなく予想できましたが、まさか逆さまの状態で出てくるとは。
もう少し楽な方法があったんじゃないかな?と思ってしまいます(笑)
しかしこれが何万年もの間自然界を生き抜いてきたパワーです。自分の脚で蛹の皮を押し、蛹や割り箸に捕まっていく姿はとても逞しく感じました。
羽化完了までの様子

無事に蛹から出てきたツマグロヒョウモンは、次に羽を伸ばす工程に移ります。
羽を伸ばすまでにかかる時間は約1時間。
羽化した瞬間はしわっしわな羽が数分経つとピシッとした羽になり、1時間も経つとパタパタするまでになります。その際、キーポイントになるのが「体液」です。体液を羽の脈に力強く流し込むことで、ツマグロヒョウモンの羽は伸びます。
(実はこの体液、羽化完了の最後の最後に私たちをビックリさせてくれる存在でもあります。乞うご期待!)
そして羽を伸ばす過程で変化するのは羽だけではなく、以下2点の観察もすると面白いと思います。
・お腹の見た目の変化
・口吻(こうふん)、花の蜜を吸うストロー部分の変化
まず、お腹の様子についてはまるで別物?と言いたくなるような変化を遂げます。ここにも例の体液が関係してきます(笑)
よく見る蝶のお腹はスラッとした印象があると思います。しかし羽化直後のツマグロヒョウモンのお腹は「パンパンに膨れている」状態!まるでお蚕さんのようにぱんちくりんです!(笑)
そんな可愛いお腹も1時間も経つと本来のスラッとした姿に戻ります。
なぜなら、お腹がパンパンに膨れている理由は羽を伸ばすために必要な体液が溜まっているから。羽を伸ばすために、幼虫の頃から必要な養分を溜めています。
次に口吻の変化について。当たり前のように蝶の口吻は1本だと思っていましたが、なんと羽化直後の口吻は2本に分かれていました。時間をかけて徐々に1本にまとめていたようです。
羽を伸ばすと同時に、口吻を出したり仕舞ったりしています。飼育をしないと気が付かないことだったので、中々貴重な経験ができたなーと思います。
羽化完了の合図

さて、最後に羽化完了の合図と言っても良い現象について話します。
ズバリ!お尻から赤い液体をシャーーーと出したら羽化完了。この赤い液体の正体が、私たちをビックリさせる存在と言った「体液」です。初めて見た人は「血?」と思うかもしれませんが、ただのおしっこなので安心してください(笑)勢いも音も本当におしっこのようです(笑)
以上のような流れで、羽化開始から約3時間後、ツマグロヒョウモンは羽化ネットの中を元気に飛び回るようになりました。
皆さんが飼育している蝶も無事に羽化できますように。祈っています!
