モンキチョウのオスとは?見分け方・特徴・観察ポイントを解説

3月から11月までととても長い期間飛んでいるモンキチョウ。漢字表記は「紋黄蝶」、学名は「Colias erate(コリアズ・イレイト)」です。シロチョウ科に属しています。
モンキチョウの基本データは以下のような感じ。
・大きさ:翅を開いた状態で約4~5cm
・色:濃い黄色
・模様:前のハネの先端に黒い帯
帯の中に黄色い斑点模様
後のハネには黄色い点が1つ
・生息地:本州全域(開けた明るい所)
・見られる時期:3月~11月
今回は「モンキチョウのオス」の見分け方・特徴・観察ポイントを紹介します。
オス・メスの見分け方
モンキチョウにおけるオス・メスの見分け方はとても簡単。
ズバリ!「ハネの色が黄色か白か」です。オスは濃い黄色で、メスのハネは白色。モンキチョウという名前の由来は、オス・メス共にある後ろハネの黄色い紋からつけられています。
標高1500m以下の場所で黄色い蝶と白い蝶がじゃれあっている場合は、ほぼモンキチョウだと思って良いと思います。春になるとオスとメスが追いかけっこをしたり戯れている姿をよく見かけることができます。
時には2匹のオスが1匹のメスを巡って争い、1匹のオスが諦めるという場面を観察できることもあるので面白いです!
似ている蝶との見分け方
モンキチョウと似ている蝶は主に「キタキチョウ」と「ミヤマモンキチョウ」の2種。どちらも近くで観察したり実際に捕まえてみないと判別できないほど、そっくりです。
キタキチョウとの違い
モンキチョウとキタキチョウの違いは「ハネの模様とハネの縁・脚・触覚の色」にあります。
まずハネの模様について。
・モンキチョウ:
前ハネ先端は黒い帯に黄色い斑点状の模様アリ
前ハネには黒い点が、後ハネには黄色い点が1つずつ
・キタキチョウ:
夏型は前ハネ先端に黒い帯
秋型は目立った模様ナシ
モンキチョウはハネに模様があり、キタキチョウにはほとんど模様がないという認識でパッと見分けることができると思います!
次にハネの縁・脚・触覚の色について。
・モンキチョウ:濃いピンク色
・キタキチョウ:目立った特徴はナシ
モンキチョウにはあってキタキチョウにはない、この「濃いピンク色のハネの縁・脚・触覚」こそがモンキチョウ最大の特徴です。実際に観察するとそれはもうとても綺麗な色で感動します。
ミヤマモンキチョウとの違い
モンキチョウとミヤマモンキチョウの違いは「生息地と前ハネの模様」から考えると分かります。
まず生息地について。
・モンキチョウ:
低地から高山帯の開けた明るい場所
・ミヤマモンキチョウ:
日本アルプスと浅間山系の高山帯(標高1500m以上)のみ
低地で見つけた場合は100%モンキチョウ、高山帯で見つけた場合はモンキチョウかミヤマモンキチョウか模様で見分ける必要があるかもしれません。
ということで、前ハネの模様については以下のような違いがあります。
・モンキチョウ:
前ハネ先端の黒い帯状模様に黄色い斑点アリ
・ミヤマモンキチョウ:
前ハネ先端の黒い帯状模様に黄色い斑点ナシ
黄色い斑点があるかないかだけで印象がガラッと変わるところもまた面白いです。モンキチョウは可愛らしく、ミヤマモンキチョウは少し力強い風に見える気がします。
生態・行動
ここではモンキチョウの生態・行動について詳しく解説します。
・成虫が好む花:春はタンポポやアブラナ
夏はキクイモモドキ
秋はアザミ
・卵を産む場所:シロツメクサ、アカツメクサ
・飛び方:素早く活発に動き回る
幼虫の食草がシロツメクサなので、公園や草原地、河川敷、道端など身近な場所で幼虫や成虫を見つけられるかもしれません。
見つけることは簡単でも捕まえるとなるとそう簡単にはいかないのが、また昆虫採集の面白さ。小さい体で素早く活発に飛び回るモンキチョウの動きをよく観察して挑戦してみてください♪
観察のコツ
幼虫を観察したい場合は、クローバーが沢山育っている場所で四つ葉のクローバーではなくアオムシ君を探してみましょう!
大きさ約3cmとかなり小さく葉っぱに紛れて見つけにくいと思いますが、3月から11月の間であればきっといると思います。根気強く頑張ってみるのもよし、潔く諦めて後日探すのもよしです!
成虫は公園、道端、河川敷など草が生えている所に必ずいます。日当たりの良い開けた場所だと高確率で出会うことができると思います。とにかく俊敏で活発に飛び回っている黄色か白い蝶がいたら、99%モンキチョウだと思って追いかけて大丈夫です!(笑)
ただの黄色い(白い)蝶だと思って捕まえて観察したら、ハネの縁・脚・触覚がピンク色だった時の衝撃をぜひ1度味わってみてください♪
